食品ロス
片岡、桐生、内山
「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。食べ物を捨てることは
「もったいない」だけではなく、環境にも悪い影響を与えます。
食品ロスの量は年間570万t(令和元年度推計値)で、日本人の1人当たりの食品ロス量は1年で約45kg。
これは日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い量になります。
食品ロスは大きく「事業系食品ロス」「家庭系食品ロス」に分けられます。570万tのうち、
事業系食品ロスは309万t、家庭系食品ロスは261万tとなっています。
食品ロスを減らすためには、家で食品ロスが出ないようにするだけでなく、
食べ物を買うお店、食べるお店でも食品ロスを減らすことを意識することが大切です。
私の家庭での
食品ロス
メンバーの1人が、4人家族である自分の家庭で
どのような食品ロスが起きているのか、
母にインタビューを行いました。
どのように食品ロスと向き合っているのか、
どんな事を工夫しているのか紹介します。
余ってしまうことが多い食材は、
野菜・納豆・キムチ・パン・お菓子、
カレー・シチュー・揚げ物など。
余ってしまったものは味噌汁や鍋に入れたりと
工夫しているそうですが、捨ててしまうことが多いそうです。
この現状について、
対策として使うタイミングを逃してしまったり、
食べ損ね・作りすぎを防ぐため
料理を作りすぎないようにする・献立を吟味する・
計画的に買い物をする・在庫の管理・冷凍する・
新製品に飛びつかない・
残っているのに新しいモノを買わないように
したいとのことです。
このインタビューを通して、メンバー自身も
余った料理は家族で手分けして食べる・余った食材を
メモに書いておき、その食材を活用した料理を作る・
買い物リストを作成し、リスト以外の食品は買わない・
フードバンクに寄付する
などの対策ができるのではないかと、
家庭での食品ロスについて考えるきっかけになりました。
農家への
インタビュー
千葉県でスイカ・メロンを中心に栽培している
農家の祖母がいるメンバーは、祖母へのインタビューを行い、
畑でのフードロスについて考えます。
収穫の時に変色や虫食いがあった場合、
ゴミ袋に入れてまとめて捨てたり、
畑に穴を掘って埋めたりしているそうです。
捨てる際には野菜による区別なく、
全てまとめて捨てているそうです。
虫食いや変色が出やすいのは
葉物の白菜・キャベツがアオムシ、ヨトウムシ、コナガなどに
影響が受けやすく、大根も小さいうちに
芯がやられてしまうことが多いそうです。
虫食いで野菜がダメになってしまう対策として
薬を使いたくても、薬が色々あり同じような虫でも
薬を使っていいものと悪いものがあるため
完璧には防ぐことはできないそう。
たくさん採れた野菜は漬物にしたり、
身内やご近所さんに連絡をとって配っているそうです。
多摩市での食品ロス事業
大学のある多摩市では、
食品ロス削減のために様々な取り組みを
行っており、今回はその一部を紹介します。
一つ目は「多摩市食べきり協力店」です。
バラ売りの実施や適量注文を呼びかけなど、
条件のどれか一つでも当てはまっているお店が
応募可能で、現在では19店舗が登録しています。協力店のポスターとチラシは、
「あらいぐまラスカル」
のイラストを使用しています。
また、多摩市では段ボールコンポスト
という取り組みを行っています。
生ごみは土に入れると、
微生物の力で分解して消滅していきますが、
これをダンボールの中で再現しています。
多摩市オリジナルのダンボールコンポストは
「ダンボちゃん」と呼ばれ、
ダンボちゃんの紹介や相談、ミニ講習会などを
行っています。また、ダンボちゃんで楽しみながら循環型の暮らしを楽しむ
ダンボくらぶという市民グループもあります。
多摩市の他に、恵泉女学園大学では
町田市と協働して、市内の竹を使った竹チップを
基材としたダンボールコンポストの普及に
努めています。また、NPO法人まちだ結の里が
作成した竹炭を入れることによって
消臭効果もアップしています。
さらなる食品ロス削減を
目指して
今回は、家庭の食品ロスから
私たちの食卓を支えてくれている
農家さんでの食品ロス、地域の食品ロスを
削減するための取り組みを紹介しました。
食品ロスとは、私たちにとって非常に身近な
問題であり、一人ひとりが自分は
食品ロス削減のために何ができるか、
対策を考えて実行し、
解決をしていくべき問題ではないでしょうか。
循環型社会の実現が目指される現代で、
今回の紹介が食品ロスについて考える
一助となれば幸いです。
片岡 桐生 内山